東京地方裁判所 昭和60年(ワ)5132号 判決
一 原告の本訴請求は、被告が、昭和四七年三月から昭和五二年一二月までの間にイ号製品及びロ号製品を、昭和四四年一〇月から昭和五三年八月一四日までの間にハ号製品を製造、販売したことにより、原告の有する本件実用新案権を侵害したことを理由とする損害賠償請求である。
ところで、原本の存在及び成立に争いのない乙第一ないし第三号証によれば、原告から被告に対して、損害賠償請求の訴が提起され(東京地方裁判所昭和五三年(ワ)第七九四〇号)昭和五五年一一月二八日右訴訟につき請求棄却の判決が言渡され、昭和五八年四月一九日右判決は確定したこと、右訴訟における請求も、被告が昭和四七年三月から昭和五二年一二月までの間にイ号製品及びロ号製品を、昭和四四年一〇月から昭和五三年八月一四日までの間にハ号製品を製造、販売したことにより、原告の有する本件実用新案権を侵害したことを理由とする損害賠償請求であることが明らかである。
そうすると、本訴の請求は前訴の請求と同一であるから、本訴は前訴の判決の既判力の範囲に含まれるというべきである。
(ちなみに、原告は、前訴において、本件考案と、イ号ロ号及びハ号製品と対比するに際し、被告製品中本件考案の技術的範囲に属しない複写機構をも含めて主張したという主張上の不備があり、その結果敗訴したと主張するが、前記乙第一ないし第三号証によれば、右確定判決における、本件考案とイ号、ロ号及びハ号製品の対比にあたつては、それらの製品のロール紙支持機構が原告の主張として取り上げられていることが認められ、この点において、前訴において原告の主張に不備があつたとはみられず、かつ前訴において、裁判所は原告の右ロール紙支持機構に関する主張について判断を行つているのであるから、右の原告主張のような理由で原告が前訴において敗訴したとはみられない。)
したがつて、本訴請求は前訴と同様に棄却すべきこととする。